防災教室@柿木中学校


 「さあ、今日はこの体育館に泊まることになりました。今から15分間で今夜泊まれる空間を作ってください」


 校長先生の一言で避難所設営体験がスタート。2022年2月21日(月)の午後、柿木中学校の体育館に中学生(1〜3年生まで)が集まり、「防災教室」が実施されました。講師は、おなじみの福川にお住まいの樋口ふみさんです。「備蓄」といえばこの人!


 午後からの2コマという眠気MAXの時間帯で、開始早々、講師からのインプットはないままに避難所設営の課題が中学生たちに課され、みんな強制的に目が覚めます。私は見学者として参加させていただいており、「大丈夫なのかな?」と少し心配をしましたが、中学生は意外にも凄かったです。


 もちろん男子の中には「これ全部俺のマットだ!はっはー」と言っている子、積極的に動かずにその場に居合わせている子などがいましたが、それでも約30人全員が寝る場所は確保していました。しかし、男子は2m×1mほどの体操マットを何段にも積み重ねてベッド上にし、その狭い範囲に3人寝るという荒業。現実ではソーシャルディスタンスで引っかかるでしょうね。

 講師の樋口さんも「意外と5分ほどで既にしっかりと準備ができていてスゴイ!」と驚かれていました。ワークが終わったあとは講義でインプットの時間です。


 中学生は1人1台クロームブックを所有しているので、パソコンを使いながら、ハザードマップを調べたり、「自分には何が必要だと思う?」という問いの答えをパソコンに打ち込んでいました。学校で、一人一人がノートパソコンを使ってカタカタしている様子が凄く新鮮でした。あと数ヶ月くらいすると、「え、まだ紙でしか勉強してないの?」という時代になるのでしょうね。


「備蓄は生きるためのツール」


「楽しさを大事にしたい」


 これまでの講座でも、普段の雑談の中でも、樋口さんが一貫して伝えているメッセージだと私は受け取っています。 「何が必要だと思う?」の問いについて、はじめは「水、食料、スマホ」など少しの意見でしたが、講義の最後にもう一度投げかけると、「友達、家族、地域の人、本、カードゲーム、ナイフ、お金」など、たくさん増えてきました。「心が落ち着くもの」と書いているツワモノもいました。中学生で言えるのはスゴイ。あとは「ヘルメット」という猛者も。しっかり頭を守るところまでイメージできている!


 私は昨年(2020年の夏)、一年間に3度も避難所へ行ったことで「避難」に対するイメージがグッと高まりました。初めて行ったときは不安で不安で仕方ありませんでした。ここ一年は避難生活はしていないので、少しなまってきています。


 幸い、柿木公民館ではプレーパークやキャンプなど、子どもたちの野外教育、自然体験に力を入れているので、そのような活動を通して、大人も子どもも一緒に生き延びる力を養っていきたいと改めて思いました。



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かきのきダイアリー

アユが泳ぐ高津川と有機農業の郷「吉賀町柿木村」の柿木公民館です。都会では経験し得ない田舎生活の魅力と楽しみをお届けします。都会に住んでいる人には田舎の魅力を、田舎に住んでいる人には地元の良さの再発見を。

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