しめ縄の舞台裏〜そこには壮絶なドラマがあった〜

 こんにちは!主事のまるです。


 もうすぐ2020年が終わりを迎えますね。あっという間の一年間です。20歳を超えると一年が早く感じると言われますが、毎日新鮮な出来事が起きている田舎生活では一年がとても長く感じます。これもあと1年くらいで慣れてしまえば早くなるのでしょうね。


 さて。明後日(16日)は、柿木小学校と中学校×公民館の「生き生き大学」のコラボで「しめ縄づくり」を行ないます。生き生き大学(公民館が実施している65歳以上の学びの場)の受講生の中でしめ縄が作れる人が、小・中学生に指導をします。毎年行なっており、今年も予定通り実施します。


 ほぼ都市部生まれ、ほぼ都市部育ちの僕は今までの人生でしめ縄を作ったことがありませんでした。昨年初めて作り、「こうやって作っているのか〜!」と感動しました。




 作るのも大変なのですが、それよりも準備がもっと大変です。


 本日(14日)は、しめ縄づくりのための準備、つまり「ウラジロ、ワラ」を調達し、ワラをそぎました。これがまあ、大変。写真でお伝えさせていただきます。


 まずはウラジロを求めて目的の地へ。のはずが・・・・・・。


 通行止めで行けませんでした。


 ・・・・・・。う〜ん、困った。


 初っ端からつまずいてしまいました。先行きが不安。


 しかし、さすがは館長。こんなことではへこたれません。


 「違うとこ行こう!」と、すぐさま目的地を変更しました。一つの場所がダメでも、複数の候補地を知っていれば怖くありませんね。頼もしいです。


 車を20分ほど走らせて、なんとかウラジロのある場所へたどり着きました。ただ、ウラジロはたくさん生えていても、いい形のものがなかなか見つかりません。小さすぎtも大きすぎてもいけず、ちょうどいい大きさのものを見つける選択眼が必要になります。


こんな感じの大きさがいいそうです。


最初は100~200枚を目標にしていましたが、なかなかいいモノが見つからず、場所を転々としながら、何とか入手しました。これでも足りないので、当日までに補充しなければいけません。明日しか無いですけどね。




ウラジロの次は、ワラです。これは館長がすでに手配済みなので、ただ取りに行くだけでOKでした。今頃は、ワラ束を保管しているご家庭がかなり少なくなっているようで、なかなかワラも入手できないみたいです。




とりあえず、最低限の材料は調達できました。あとは飾り付けのミカンや、赤い実も取りに行かないといけません。


そして、大変なのがここからなのです。


個人的に、調達をしに行くのは楽しいのですが、あまり楽しくないのがワラをキレイにする作業です。いただいたままの状態だとボサボサで不細工なので、櫛で髪の毛をとぐようにワラをといでいきます。この作業を「すぐる」と言うようです。


適量のワラを掴んで



 コンクリにバシバシ打ち付けてほぐれやすいようにします



 

あとは、ワシワシと指で引っ掻いていきます




こんな感じでキレイにしていきます


before


after



振り返ると、大量のワラで気が遠のきます




 外だし、今日から雪が振り始めたし、寒すぎました。


 今日だけでは終わるはずもなく、明日もこの作業が続きます。たくさんの人とやればすぐ終わるのにな〜と思いながら、バシバシ叩きました。こうして、一言で「しめ縄を作る」と言っても、裏側では多大な仕事がありました。


 面白かったのが、たまたま作業の場を通りかかった70歳手前の地元の男性が、「ワシでもしめ縄を作ったことはないね」とおっしゃられたことです。地元の方でも作ったことが無いのに、たった2年前に都会から引っ越してきた26歳の男がしめ縄を作っているという状況。


 とても有り難い経験をさせていただいていますね。


 たとえ、数百円出せばどこでも買えるものでも、きちんと自然の中から拝借をして自分の手で作る。そこに日本人としての素晴らしい文化が詰まっているのだなと感じました。全部自分で作るのはやっぱり大変ですが、この文化を伝えていくことはとても大事です。少しでも作る人が増えるといいですね。

わらしべ長者になりたい……。

かきのきダイアリー

アユが泳ぐ高津川と有機農業の郷「吉賀町柿木村」の柿木公民館です。都会では経験し得ない田舎生活の魅力と楽しみをお届けします。都会に住んでいる人には田舎の魅力を、田舎に住んでいる人には地元の良さの再発見を。

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